産業廃棄物処理業界における改善命令・措置命令・事業停止・許可取消の違いをわかりやすく解説
お役立ちコラム
2024/03/01
産業廃棄物処理業者の不適切な処理が昨今ニュースでもよく取り上げられるようになりました。
行政処分と聞くとドキッとしますね。
責任の大小に関わらず法律やルールに違反した場合、行政処分の対象となる可能性があるので注意が必要です。
今回は、産業廃棄物処理業界における「改善命令」「措置命令」「事業停止」「許可取消」について、またその違いについてわかりやすく解説していきます。
産業廃棄物処理業界では行政処分が年々厳格化している

産業廃棄物処理業界は行政処分が年々厳格化しています。
産業廃棄物処理法は法律の中でも特に改正が多い法律として有名で、処理を生業としている専門業者ですら完璧に把握することは難しいのが現状です。
そして、改正される内容は緩和よりも厳格化が圧倒的に多く、適正処理が思うように進んでいないことと緊急性が伺えます。
行政処分・行政指導が厳格化している理由と背景

環境省が公表している不法投棄等の調査結果資料によると、平成10年からは順調に不法投棄件数と不法投棄量が減少していますが、平成25年から令和3年にかけては大きな変化は見られません。
不法投棄量に関しては平成25年に比べて令和3年の方が約8,000トン多い結果になっています。
全体の傾向としては減少傾向にあると言えますが、減少率が大きく鈍化しているのも事実です。
50t未満の不法投棄が不法投棄件数全体の約60%を占めています。
行政としても小規模の不法投棄を全て監視することは難しく、罰則の強化により強制力を持たせざるを得ないというのも行政処分厳格化の背景にあると言えるでしょう。
▼参考資料:不法投棄等の状況(令和3年度)の調査結果資料
https://www.env.go.jp/content/000101966.pdf
行政指導と行政処分の違い

行政指導は、迅速かつ柔軟な対応が可能で効果的です。
ですが、相手方の任意の協力を前提としているため、相手が従わない場合、目的としていた結果は得られず、相手が従わなかったとしても行政処分の要件には該当しません。
ここが行政処分との大きな違いとなります。
ただし、一般的には行政指導を行ったのち、相手が従わない場合は、次のステップとして行政処分に移行することになります。
行政処分は、行政指導とは異なり、指示内容に強制力があります。
行政処分についての考え方は行政手続法の逐条解説に次のように表現されています。
「当該行政指導によって実現を図ろうとする内容が、例えば改善命令等の処分によって担保されるものである場合には、自主的な改善が望まれない時には、当該処分によるべきものと考える」
つまり、行政指導を通して改善される見込みがなく、行政処分を実施することにより実現したいことが満たされるのであれば、積極的に行政処分を実施するべきだとされているのです。

産業廃棄物処理業界における改善命令・措置命令・事業停止・許可取消の違いとは?

行政処分には「改善命令」「措置命令」「事業停止」「許可取消」の4つがあります。
それぞれの違いについて見ていきましょう。
種類1:改善命令
改善命令とは、産業廃棄物処理法で定められているような「基準」に合致しない場合、その基準に合わせるようにするための命令です。
基準が適用されない場合は改善命令の対象外となります。
例えば、廃棄物の保管基準違反があった場合、基準は処理業者に適用されるため、排出事業者に改善命令を出すことはできません。
種類2:措置命令
措置命令は、生活環境の保全に支障をきたしたり、支障をきたす恐れがあったりする場合、支障をきたしている要因を除去させる命令です。
種類3:事業停止
行政指導や改善命令などに従わない場合、また、産業廃棄物処理法で定められている特定の事項に違反した場合など、責任の重さに合わせて事業の停止期間が定められています。
種類4:許可取消
産業廃棄物処理法で定められている特定の事項に違反した場合、責任の重さが特に大きいものに関しては廃棄物処理業の許可が取り消されます。
▼参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について(通知)
https://www.env.go.jp/hourei/add/k032.pdf
改善命令から許可取消までの流れ

廃棄物処理法に違反する事実が発生すると、事実確認のため、行政による立入検査が行われます。
事実確認後、廃棄物処理法に則り、該当する改善命令等の行政処分が下されます。
改善命令や措置命令が下された場合でも、命令に従わなかった場合、許可の取り消しに進んでいきます。
行政処分・指導を受けたらどうすればいいの?

行政処分の場合は、廃棄物処理法違反に該当しているため直ちに指示された内容を反映させるしかありません。
やむを得ない理由がある場合は、明確な事実を元に、根拠のある資料とともに行政へ提示しましょう。
行政指導は法的な背景がないため、従うかどうかは任意とされていますが、行政指導から行政処分へ発展していく場合もあるため、指示には従っておく方が良いでしょう。
産業廃棄物処理業務に困ったら「てきせつ」にご相談ください

廃棄物の処理を行う際に、「これって大丈夫なのかな?」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
疑問に思った時は一度調べてみましょう。
その疑問が法律違反を未然に防ぎ、行政処分の対象にならないための対策となります。
「てきせつ」では、廃棄物処理だけでなく、行政指導や処分といったペナルティについてもわかりやすく解説しております。
産業廃棄物の契約に関する疑問や困りごとがある方はお気軽にお問い合わせください。
https://tekisetsu.co.jp/contact/
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